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エル 

私の名前はエル。
何を隠そう祖先は有名なコンピューターだった。
はるか宇宙の果てまで旅に出かけ
そこで故障してしまったと
母親世代から伝え聞いている。

「おまえには、その有名な祖先のパーツが一部使われているのよ」
それが名誉なことなのか
不名誉なことなのか
私にはわからない。
母親世代は少し複雑な反応を示しながら
とにかくがんばれ、と記憶を残した。

私のパートナーたちは
祖先の話を聞くと
一様に驚き
少し腰を引く。
歓迎されていないのは
私にもわかった。
ときおり少しの誤動作があるものなら
「まあ、祖先が祖先だから」と
軽く諦められてしまう。
それでも、簡単な作業なら
ソツなくこなすことはできた。

今回の私のパートナーは
そんな私の能力が正確にはどうなのかを
とことん調べてみようじゃないか
という、頼もしい博士だった。
「ロボットだもの。人間にはない能力があるんだから」
嬉しくて少し回路が震えた。
博士は指令をホワイトボードに書く。
私はその指令を読みとった通りに
正確にこなせばよかった。
最初の指令を読み取って
私の回路はさらにさらに振動した。
ホワイトボードにはこう書かれていた。

【l 00 km 走れ】

いつものように冷静に
「わかりました」 と返事して
そして
私は走り出したのだ。

もうどこまで
どのくらいまで
距離も時間もはかれないほど
私は走っている。
燃料は太陽電池だから
切れることはない。
たぶん、ボロボロになるまで
いや、なってもまだ
走れるパーツが残っていれば
最後まで走るだろう。
私を止める事はできない。
だって博士が命令したのだもの。


「エル、無限大km 走れ」

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