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どれが一番強いの? 


「それでは、こちらにお入りください。」
某健康食品会社の会議室に通された。
役員秘書の彼女は無駄に大きく胸の開いたブラウスを着ていて
いや、だけど自分はそんなことに揺らいだりしない。
かなり自分好みな女のはずなのだが、不思議に高ぶるものがナイ。
さっきからこちらにネットリとした視線を送ってくれてるようだ。が
そんなものには左右されないのだ。

「なんでも素晴らしい発明をされたとか?」
会議室には、十数人の会社役員が席についていた。
「はい。ただいまから、説明させていただきます。」
急ぎカバンの中から資料を出す。
「今回の発明は、人類の歴史を変えるといっても過言ではありません。」
「前置きはいいから、早くモノを見せてくれないかね」
真ん中にでっぷりと太った社長が座っている。
彼の目の前に、白い小さな粒が入ったビンを差し出した。
「コレです」

「これは、クスリかね?」
「クスリと言いますか、、、食べ物です」
「食べると、どうなるのかね?」
「まず、ほかのものを食べなくても平気になります」
「ダイエット食品かね?」
「いえ、ダイエットにも効果はありますが、コレを食べると、食欲がなくなるのです」
「まったく??」
「そうです。まったく、食べなくても平気になります」
「食べることに興味がなくなる・・・?」
「そうです。栄養は食事でなくてもとれますしね。それから」
「それから?」
「コレを食べると、眠くなくなります」
「睡眠をとりたくなくなる?」
「そうです。ずっと起きてても平気です」
「ちょっと待て。そんなことして、何か利益があるのかね?」

「時間ですよ、社長。」
自分はクイっとメガネを指で上げた。
「食べる時間、寝る時間、惜しくはないですか?」
「・・・・」
「なるほど、仕事や研究に有効に使えるってわけだ」
「食べなくても大丈夫なんてスゴイですわ」
うなずく役員たち。なかなかの好感触だ。

たたみこむように説明を続ける。
「コレを食べると、人間の欲望をおさえることができるのです。」
「欲望?」
「三大欲ですよ」
「・・・とすると、食欲、睡眠欲、そして・・・」
「性欲です」
クルリと役員たちに背を向けて、カバンの中から次の資料を取り出す。
おそらく、自分の説明に驚愕しているのだろう、
彼らがザワザワとしているのを、背中で感じる。
微笑みを浮かべながら、資料を手にして振り返ると

キレイに役員たちの姿はなくなっていた。
「ど、どういうことだ!?」
横にいるはずの役員秘書に話しかけようと見ると
彼女も、すでに消えていた。
誘うような残り香が、ただよっているだけだった。


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