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俺のマンバケ 3 

俺のマンバケ
俺のマンバケ 2


「これは魔法の絨毯よ」
この言葉の意味がわかるまでにそれほどの時間はかからなかった。

「あー・・やばいかも?」
運転しながら女がボソっとつぶやいた。
「な、なに・・何がやばい??」
俺は広げた地図と格闘していた最中だったが
あわてて女を見た。
「ん?んー、たいしたことじゃないけど。」
女はじっと一点を見つめている。
「命に別状はないと思う」
命って!
「だから何!何がどうした・・・?」
「えーとね」
「うん」
・・・「ガス欠です」
え?
「ガソリン切れ~~~♪」
明るく歌って女が指差すそのメーターの針は
赤字の“E”にかかっていた。

「どうするんだよ・・」
ああ、神様、やはりこの女についてきた俺は馬鹿だった。
「この近くにガソリンスタンドってあるかなあ」
空気が抜けたように女が言った。
「ないよ!」
そんなこと、地図が読めない俺でもわかる。
見渡す限り原っぱだぞ。
「ないよね~」 あははは、女は軽く笑った。
迷いすぎたんだ。この広い野原のなかで
唯一つ頼りにしていた車が止まってしまうなんて・・
たぶん幹線道路に違いない広い道なのに
俺たちの車以外に走っているものなんか無く。
ありえないほど、静かだった。

俺たちはしばらくの間、一言も言葉を交わさなかった。
やがて車は最期をむかえ・・・・・
遂にエンジンは沈黙し、まったく動かなくなってしまった。
頭を抱える俺をのこし、女は外に出て携帯電話で話している。
いったい、いつになったら先に進めるのだろうか。
「北海道秘湯の旅」3泊4日のはずが、この分じゃ
1週間かかっても目的地にはたどり着けなさそうだ。
いや、そんなバイトのことよりも本当に心配なのは
生きて家に戻れるかってことじゃないか?
見知らぬ女とふたり、こんなところで遭難なんて
ゴメンだ、絶対にゴメンだ!
旅行会社に連絡しようと携帯電話を取り出したとき
女が戻ってきた。

「さ、、いこう」
後方の座席から荷物を取り出しながら女が言った。
「行こうって・・・どこへ?」
「外よ。ここにいたってしょうがないでしょ?」
女はスケッチブックを抱えて歩き始める。
「ちょ、ちょっと待てよ」
「なあに?」
「車はどうするんだ?」
「置いておいていいって」
「え?」
「ここに置いておけば、後で回収にくるらしいわ」
「そ、そうなのか?」
「そうみたいよ。ほかにどうしようもないし」
「じゃ、待とうよ」
俺は女の肩に手をかけた。
「回収にくるときに俺たちも回収してもらうってのは?」
「いいけど」女は俺をじっと見つめた。
「いつになるかわからないって言ってたわよ?」
女の目が、選択しろ、と言っていた。
このまま助けがくるのを待つのか、自分たちが動くのか・・・
「待ってる事の他に何ができるんだ?」
ただやみくもに歩くのだけは避けたかった。
俺の質問に、女は笑顔で答えた。
「これよ」
それが、「魔法の絨毯」スケッチブックだった。

中標津、女はマジックで太く大きく書いた。
そして道端に立って、・・・車が来るのを待った。
「・・おい、これって」
ヒッチハイクかよ!
「そう、これに地名を書けばアラ不思議」
女は片目をつぶって自信たっぷりに言った。
「目的地に着いてしまう、魔法の絨毯ってワケ」
俺はヘタヘタとその場に座り込んだ。
結局、助けを待つのと変わりはないような・・・
いつ車が通るのか、通ったところで俺たちを拾ってくれるのか
賭けだな。
俺は空を見上げた。

空は大きく青く、風は爽やかに吹いていく。
太陽は次第に流れていき
もう何時間すぎたのだろう。
静かだ。
女とふたり、俺たちは黙ったまま体育座りをしていた。
ふと、女が立ち上がった。
「何か来る」
耳をすませると、風にのって何かの音が聞こえてくる。
車だ!
俺は道に飛び出していた。
魔法の絨毯を掲げながら道のど真ん中に立ち尽くす。
「危ないわよ!!」
女が叫んだが聞いちゃいない。
猛然と走ってきた大型のトラックは
ブルブルと震えながら
俺の少し手前で止まった。

「中標津?」
ひょこ、と運転席から顔を出した男がきいた。
「は、はい!でも、どこでもいいんです」
俺は必死で叫んだ。
「どこでもいいの?」
「はい。JRかバスに乗れるとこなら・・」
「名寄でもいい?」
名寄?どこだ?
俺は女を見る。
「逆方向だけど、贅沢は言ってられないわよね」
「お、お願いします!」
「おっけ~、乗っていきなよ」

まったくの逆方向だが、名寄からJRで移動できる。
ホっとすると同時に猛烈な眠気が襲ってきた。
運転席で話に盛り上がる女と運転手にお構いナシに
俺は次第に深い眠りにおちていった。
俺のマンバケ、まだまだ先は長そうだ・・・。

つづく

comment

10年くらい前に釧路から中標津行く途中で
本当にガス欠になるところでした。
北海道って本当にこういうことがあるから
気をつけないとね。^^;

あぶなーい!
距離感とか、本州とは違うから
ホントに立ち往生する人もいるんじゃないかなあ。
携帯電話が通じるところなら良いけど、そうでなかったら・・・
やっぱり魔法の絨毯か^^

続きが気になる

この女の子、むちゃくちゃ可愛い^^。
危なっかしいけどw

ぜひ、続きを。
時間の余裕ができたらぜひ^^

うむ

まだ殴り書き・・。
お話の最後だけは決まってるんだけどね^^
最後のセリフにたどり着くのはいつの日か~
その前に、宝くじの話を今下書き中です。

つ~づ~き~は~?

マンバケならぬウィバケ(1週間:9日)6日目のmkomです。
この主人公と似た境遇なんですが、悲しいかなそこまで行動力がありませんでした。。。

つづきは

いつになるんでしょうね・・
最後のセリフだけは決まってるのに
なかなかそこにたどり着けません!(-_-;)
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